ZWIFT初体験 [ヴァーチャルライド]

新型コロナウイルスの感染拡大で、緊急事態宣言の対象地域が全国に広がった。影響の深刻化と長期化の中、先週は「3つの密(密閉、密集、密接)」を避け、事故によるケガや体調不良を招かないよう軽負荷のソロライドを行った。それはそれで春を楽しむ機会になったが、追い込まない走り方に徹すると、トレーニング効果が低く、達成感がもうひとつ。

zwift.comトレーニングのための外出、それもグループライドが難しい状況下で、世界的に利用者が急増しているのが、オンライントレーニングプログラムZWIFTだ。ローラー台をPCなどのデバイスを通じてネットに繋ぎ、仮想空間で他の参加者と競い、励まし合いながらトレーニングに励むことができるサービスだ。完全に屋内で完結し、見た目はオンラインゲームそのもの。「アウトドア引きこもり」の自転車が、名実ともに引きこもりになるなんて言う口の悪い人もいるもいる。とは言え、リアルライドでのスキルアップにも繋がるのは確かで、いくらスキルを上げても実社会で役に立たない多くのゲームとは一線を画している。他のゲームと同じく不正行為でレベルを上げる人もいるらしいが、そうやってレベルを上げてもリアルライドに出れば化けの皮は剥がれる。

感染拡大の恐れが一切無い環境で、限界まで追い込めるとなれば、現在のような環境下のトレーニングとして最善と言えるかもしれない。興味は持ちつつも、自宅にローラー台を設置できる環境ではないので、これまで参加は諦めていた。

折しも、主に首都圏のノリクラ仲間の企画するライドや飲み会も軒並み自粛という事態になっている。鬱憤の貯まる中で、一部メンバーが既に取り組んでいたZWIFTが盛り上がり始めた。楽しげな様子に、私も興味がつのり、仲間の様子を見るためにユーザー登録してみた。そのために月額利用料金1,650円は厳しいが、登録後7日間もしくは25kmまで無料で試用できるとのこと。

今日は休業日だったが、こんな中でも溜まった仕事があるので出社するつもりだった。朝まで雨が残り、昼時にまた弱い雨雲が通過していったので、昼食後に勤務先に向かった。途上で雨雲レーダーにない雨に降られてしまったが、雨宿りしていたら本降りにならずに通過していった。

勤務先に着いて濡れたTORACLE-S(CARACLE-S2016試作車)を拭いていると、そう言えば(?)ここにはチームCARACLE用のローラー台があることに気付いた。平日にはなかなか乗る余裕が持てないし、休みにわざわざ出てくるなら郊外に走りに行った方が満足度が高い。ローラー台といえば雨の日に活躍するものだが、雨の日に鉄道を乗り継いでここまで来るのが大変だ。そんな訳で私自身は滅多に使うことがない。

ZWIFT試用期間は一週間しか無いし、今日は「仕事のついで」にローラー台を活用してみるか、と仕事を後回しにして準備を開始。すでにiPadにアプリをインストールしてあったし、スマートトレーナー(自動負荷調整機能付きローラー台)や心拍センサー、ケイデンスセンサーとの接続もスムーズにできた。ただ、この部屋までWi-fiが届かないので、通信量が気掛かりなのと、iPnoneをコントローラーとして使用するZWIFT Companionの連携ができなかった。

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詳しくわからないまま、画面を進めていくと、NYC(New York City)のコースでスタートしてしまった。距離は25kmとの表示。ともあれ走り出したのだが、久々の3本ローラーはまず安定して走らせることが大変。何度か脱輪し、しまいに右側のソファーに倒れんこんで「落車」。

画面はニューヨークのセントラルパークだが、周囲を走る自転車が全て実在の自転車乗りで、世界中でローラー台を漕いでいると思うと不思議だ。スマートトレーナーなので、上り坂で負荷が増し上り切ると楽になる。とは言え、実際に傾斜を上りときよりはだいぶ楽な印象。8%、10%という表示が出ていても、「踏み込む」必要性はあまり感じず、「回す」感覚で走り続けられる。ダンシングができない状況で本当に8~10%の坂を登るのと同じような負荷がかかったら、とても保たない。この辺はスマートトレーナーによっても違うだろうし、そもそも自動で負荷を変えられないローラー台を使用している参加者も多いだろう。

しばらく悪戦苦闘しているうちに3本ローラーにも慣れてきたが、それでもシッティングで両手でハンドルを握っていないと安定しない。汗が吹き出してきたので、一時停車してジャージを脱ぎ、上半身裸になった。それでもポタポタと汗が下に落ちていき、頭から流れてきた汗が目に入り鬱陶しいので、首にかけたタオルで拭おうと片手を恐る恐るハンドルから離したら・・・途端にひっくり返った(笑)。

初めての機会なので、心拍数は150bpm未満に抑えていた。パワーも概ね150W未満になっていたようだ。それでも、ダンシングができず、ずっとシッティングで姿勢が変わらないので、お尻が痛いし、同じ筋肉に負担がかかる。その意味では実走より遥かにきつい。たかが25kmと思って走り始めたが、5kmも行かないうちに、逃げ出したい気持ちが強くなってきた。それでも周囲にいる参加者、それも日の丸の付いたライダーの姿が励みになり、何とかペダルを踏み続けた。

ボトルを取ることもできないので水分補給もできないが、その後も何度か脱輪と落車を繰り返したので、その機会にボトルを口に含んだ。

プラスチック製のローラーを回しているせいか静電気がたまるようで、バランスを崩して壁に手をつくとバシッとかなりのショックが走る。面白かったのは、その度にTORACLE-Sに装着していたライトが勝手に点灯すること。最初はわけが分からなかったが、どうやら放電の際の電磁波で電子スイッチが誤作動するようだ。車体から外して前のデスクに置いたが、それでも距離が近いと点灯する。少し話して絶縁体(布)の上に置いたら、落ち着いた。

NYC
後半は距離の長さに絶望しながら漕ぎ続け、ようやく残り10kmのところで「10kmしか残っていません」の表示が画面に現れた。「みんなで筋肉体操」を思わせる文言に、「10kmも」の間違いだろうと苦笑しながら必死でペダルを回す。

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最後の1kmはペースを上げ、25km到達。タイムは54分13秒だった。たかだか25kmだが、何度も「落車」を繰り返した激しいトレーニングだった(^_^;)。下り坂で足を止めることがないローラー台トレーニングは実走より厳しいことは承知していたが、かなりのトレーニングになったようだ。

運動強度もだが、3本ローラーに慣れず立ち漕ぎや片手放しができないので、ストレスがたまる。汗も拭えず、水分補給もままならず、同じ姿勢で力を入れているので首肩が辛い。3本ローラーには3本ローラーの良さがあるが、固定ローラーの方が心肺機能向上に集中できそうだ。落車もないし。

初ZWIFTを終えて仕事を始めたが、かなり疲れて身体がだるく効率が上がらなかった。「仕事のついで」なのか「仕事がついで」なのかわからない出社だった。その後の帰宅路が強い逆風で、疲れた身体に辛いのなんの。これが勤務先でのローラートレーニングに消極的になる理由のひとつでもある。

ZWIFTはコロナ蔓延の状況下では最も適切な手段だと思われる。そうでなくてもレース等のために走力向上を目指すなら、外的要因に左右されず限界まで追い込めるローラートレーニングは「有効に活用すれば」効果が大きい手段だ。もっとも、同じ場所で孤独にひたすら自分を追い込んでいくトレーニングを続けられる精神力を備えた人は、ごく少数だろう。もちろん、かく言う私もそんな精神力は無い。ZWIFTは一緒に走る仲間がいることや、レベルアップの認定制度で、単調なローラートレーニングを続けるモチベーションを与えてくれると思われる。

ただ、自宅にローラー台を置くことが難しい私には、(勤務先でたまに乗るために)月額1,650円の負担は厳しいなあ、というところ。そもそも、「もっと上」を目指す競技的な走り方は昨年で終えたつもり。スキルを上げるためにローラーに乗る意義は、以前ほど高くない。友人たちとの様子を見ながら、一緒に走る機会が度々あるようなら考えてみようか、というところだ。


■STRAVA

NYC | バーチャル ライド | Strava

■本日の走行記録(自転車)

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CyclemeterGPSの記録

スタート: 2020/04/18 14:59:17

自転車完了: 2020/04/19 5:54:52

バイクタイム: 0:57:57

停止時間: 0:00

距離: 25.03 km

平均スピード: 時速 25.91 km/h

登り: 180 m

カロリー: 473 kcal

平均心拍数: 108 bpm

最大心拍数: 157 bpm

平均ペダルペース:  94 rpm

最高ペダルペース: 129 rpm

平均パワー: 125 ワット

最高パワー: 194 ワット

今月の走行距離:  477 km

今年の走行距離: 2730 km

先月の走行距離:  886 km

昨年の走行距離: 9346 km



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これまでのコメント

  1. […] 先週のようなZWIFTトレーニングなら最も外界との接触が少ないが、今日は2週間ぶりに少し遠出をすることにした。と言っても、3つの「密」を避けて、一切店などの施設には立ち寄らず、 […]

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