TRACLE-Sの代替り [CARACLE-S]

無理矢理451化とキャリパーブレーキ化したTORACLE-S(CARACLE-S 2016試作車)用に軽量ホイールを組んだりしたが、引越しの前後はしばらく時間が確保できなかった。

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とは言え、通勤で毎日のように使用するうちに交換した低価格チタンBBに、懸念していたガタが出てきた。使い始めは(たまたま?)ガタが無かったが、調整機構のない構造なので使い込んでベアリングが消耗するとガタが取れない。ただ、こんなこともあるだろうと事前に調整用ワッシャ(厚さ1.5mm)を自作しておいた。このワッシャをBBシャフトとカートリッジベアリングの間に挟むと、ガタが無くなるまで締め込むことができる。ただし、BBシェルとBBの鍔(つば)が密着せずにすき間が開く。ネジ止め剤を塗布してしばらく様子を見たが、固定力が不足するようで少しずつ緩んでくる。すき間は約1mmだったので、10Sカセットスプロケット用の1mm厚スペーサーを挟んで再度締め付けるとすき間が埋まった。都合よく、ガタもなく緩みも生じにくい状態にできたようだ。差し引きで1.5-1.0=0.5mm締め込んだことになる。当面はこれで大丈夫だろう。

と思っていたのだが、よりによって引越し前日の2/19に「事件」が起きた。引越しに備えていつもより早めに退社してほどなく、駐車場に入るために反対車線から右折してきた125ccスクーターに突っ込んだのだ。信号待ちの車の間から直前にスクーターが飛び出してきたので、とっさのブレーキも間に合わなかった。車道左側の自転車ナビライン(青い矢羽根)上を直進していたので、私に基本的な非はないと思う。基本的な注意義務は進路を変える側(右折車)にあり、私は直進時でも車が車間を開けて止まっている場合は反対車線の右折車を確認するよう習慣にしている。とはいえ、スクーターが大して開いていない車間を通過してきたのは盲点だった。

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幸いなことに双方ケガは無く、事故相手も保険会社も誠実な対応で損害を全て補償してくれることになった。TORACLE-Sは前輪が歪んで、リムとブレーキシューと接触する状態。その他のダメージもパッと見ではわからいので、上司に車で迎えに来てもらい一旦勤務先に戻ってTORACLE-Sを置いて再度退社した。上司に途中まで車で送ってもらい、鉄道で帰宅したのは結局いつもより遅くなってしまった。

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私のTORACLE-Sは没になった試し塗り車体で、世の中に同じイエローのCARACLE-Sは存在しない。再入手はメーカーの人間でも(だからこそ)現実的でないので、できればフレームは再活用したい気持ちだった。

フォークコラム(ステアリング管)に気になる筋があったが、フレームには一見すると目に見えたダメージ(クラックやシワ)は見当たらない。これならと期待したのだが、フロントセンター長を計測してみると、5mm近く距離が短くなっていた。この時点でメーカー目線なら廃車決定。個人的にリスクを取って様子を見ながら使用することも考えたが、スチール製のダイヤモンド型フレームならともかく、アルミ製かつ折りたたみ関節のある1本フレームでこの変形は不安が残る。ロードバイク並みのハードな活用をしていることも考え、断腸の思いで再活用は断念した。

ダメージを受けたフレーム、フォーク、ヘッドパーツ、ホイールを交換することにしたが、同等のホイールZ-TOUGH2は欠品中。幸い、後輪にダメージはないし、再入荷までは通勤でも遠出用軽量ホイールの前輪を流用してしのいでおこう。残りのパーツはほとんどをそのまま移植するが、この機会に一層の軽量化も追求したい。

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CARACLE-Sのフレームも欠品中だが、検品エラーになったrev.3フレームが残っていたので、これを使用することにした。バッテン部分に凹みがあるが、美観上の問題だけで強度的な懸念はない。新生TORACLE-Sはブラックベースになるので、さてどう「虎」にするか? もういい歳だし、派手派手は止めて、落ち着いたカラーリングにしようか?

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とは言え、引越しのバタバタで作業時間はもちろん、デザインや軽量化の方針を検討する余裕が持てず、しばらく手がつけられなかった。3月末にようやく少し手を入れ、まずはBBのフェイシング。

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BBフェイシング完了。フェイシングというと、全面ツルツルに仕上げる人もいるが、ヘッドはともかくBBのフェイシングは削りすぎると規格サイズ(JISなら68mm)より狭くなる。そもそも、ほとんどの自転車はフェイシングしないことを前提に規格通りのサイズで作られているので、すべきでないとの意見もある。

私自身は、リスクのある行為なので支障のないのに安易にフェイシングすることは勧めない。自分の使用車は、一部に塗装を残し、全周の3/4ほと面が出れば良いという程度。そもそも論で言うと、大量生産されるBBシェル自体の精度が知れたもの、というか溶接の熱で歪みが生じるので、精度を追求する意義が少ないのだ。フェイシングで向上できるのはBBシェル両サイドの平行だけであり、中心軸からのズレを修正できるわけではない。

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最低限のフェイシングにとどめたが、それでもBBシェル幅を計測すると67.8mm。JIS(BSC/BSA)より0.2mm狭くなったわけだ。フェイシングのリスクとはこういうこと。

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私はBB再タップも行ったが、これもネジ山を削りすぎて固定力が低下する恐れがあり、支障がない限り安易に行わない方が良い。

ひょっとすると、プロ選手などは鋭敏な感覚でその差を体感できるかも知れない。が、大多数の自転車乗りにフェイシングや再タップの有無の差は体感できないので、商業的にはほぼ無意味な行為だ。それでもスポーツ自転車は趣味の道具であり、手を加えたこと自体が満足に繋がり、それが速く快適に走れることにも繋がる。人の身体能力は感情に左右されるのだ。だから私も自分の車体にはフェイシングを施す。大いなる自己満足のために。

話が逸れた。その後もなかなか作業に取りかかれなかったが、通勤も週末ライドもCOZ1台でこなすのは使い勝手が悪い。引越しのバタバタもようやく落ち着いてきたし、緊急事態宣言で遠出や人と会うのも憚る状況になった。そこでGWに、とにかく走れるところまで組み換えを行うことにした。TORACLE-COZ 2のようにフレームにカッティングシートを貼るなら、組立前の方が作業性が良いのだが、なかなかフレームに合ったデザインをすることができなかった。

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バラす前の初代TORACLE-Sの記念撮影。2016年7月に組み立ててから約5年、ノリクラ(乗鞍ヒルクライム)で1時間半切りを達成し、スズカエンデューロでは生涯で初めて表彰台に真ん中に上りソロでも7位という成績を残し、ブルベで200kmを走破した相棒の最後の勇姿。主力機をCARACLE-COZシリーズに譲ったとは言え、通勤や飛行機旅行でまだまだ活躍してもらうつもりだったので、不意の引退は本当に残念。走行距離14,240km。お疲れさまでした。

次回は、ようやく組み換えのレポートをできる予定。

「TRACLE-S 2」組立て その1 [CARACLE-S]」に続く

ご注意:本記事は、久行の個人的趣味とテック・ワンの技術検証を兼ねて行っているもので、同様のカスタマイズに対して安全性や耐久性を保証するものではありません。安全性に問題がなく、ご要望の多いものは純正品に取り入れる可能性もあります。興味のあるパーツや加工については、ご意見をお寄せください。

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