秋彼岸 過ぎて田畦の 緋毛氈 [竹内峠-水越峠]
先週辺りからようやく最低気温が25度を下回る日が続き、永遠に続くかに思われた熱帯夜が途切れた。相変わらず最高気温は30度を上回り続けているが、気がつけば9月も終盤になり彼岸花を見ることもないまま彼岸が終わってしまった。近年は温暖化で彼岸花(曼珠沙華)の盛りも後ずれしてきているので、今週でも大丈夫だろうと、今日は彼岸花(曼珠沙華)ライドに取り組んだ。
何となくだが、彼岸花(曼珠沙華)は和歌山より奈良のイメージが強い。明日香まで行ければ最善だが、昼までに帰宅したいので、葛城山麓をうろついてみることにした。6:35にTORACLE-COZ2(CARACLE-COZ DB)でカラクリング(CARACLE+サイクリング)に出発。まずは東に向かって走り、7:20に石川を渡った。止まると日なたはすこそ暑いが、走っていると気持ちよく、行く手の二上山が青空の下にくっきり。今日は降水確率0%なので、マッドガードも外してきた。
太子・和みの広場でトイレに寄って小休止。たいしくんの像や太子町のイメージボードが置かれている。
国道166号線に並走する竹内街道を上っていくと、旧山本家住宅から勾配が増すが、振り返ると大阪平野を見下ろせるなかなかの景色。
道の駅 近つ飛鳥の里・太子の脇で国道に合流し、8:02に竹内峠に到着。
奈良側に下っていき、竹内街道を辿って竹内集落に入る。家並みの向こうに奈良盆地を見下ろせる。
県道30号線は交通量が多いし、彼岸花(曼珠沙華)を細道を走ろうと、できるだけ山麓を南下していく。イトーピアの新興住宅地からは大和三山を見晴らす絶景と共に、稲穂の実る黄金田の畦に赤いものがちらほら見える。
イトーピア住宅地の端で柵の向こうの道に彼岸花(曼珠沙華)が見え、細い急勾配の近道と遠回りの車道のどちらで彼岸花(曼珠沙華)に向かうか逡巡して減速しすぎてバランスを崩し、ビンディングペダルからシューズが外せず立ち転けしてしまった。ほぼ停止していたので外傷はひじの軽い擦り傷程度だったが、脇腹を打ちつけてしまった。身体をひねるような動きをすると痛む。TORACLE-COZ2に大きな損傷はなかったが、ブレーキレバーとリアディレイラーに傷が増えてしまった。全くアホらしいコケ方をしてしまった。その後は大人しく少し車道を遠回りして彼岸花(曼珠沙華)のそばにやってきた。まだこの辺りの群生はまだ控えめで、溝の向こうなので近寄ることもできなかった。まだつぼみも多く、来週辺りが一番の見頃かもしれない。
兵家地区の間道を南下していくと道の両側に彼岸花(曼珠沙華)がずらりと並んでいた。
大田地区の入口になる蓮生院の裏手にも彼岸花(曼珠沙華)が群生。
青空をバックにした赤い花が美しい。赤い絨毯のような群生を眺めていて句心が湧いた。すでに彼岸を過ぎてしまったがむしろこれからが盛りである彼岸花(曼珠沙華)の群生を句にしたかったが、彼岸と彼岸花(あるいは曼珠沙華)の両方を入れると季重なりになる。どちらかを別の表現にできないか考えたが、その場では浮かばず帰宅後に彼岸花(曼珠沙華)の群生を「田んぼのそばの赤い絨毯」→「田畔(たぐろ)の緋毛氈」に譬えることを思いつき、表題の「秋彼岸 過ぎて田畦の 緋毛氈」という句となった。相変わらずのヘボ俳句だが、ちょっと頑張った。それでも、温暖化で暦と花の盛りがすれていく憂いまで、伝えきれていないかもしれない。
葛城IC付近で南阪奈道路をくぐったら、珍しく「自転車を除く」が無い一方通行標識が立っており、先に進めない。やむなく少し引き返して道の駅かつらぎの導入路に入った。
そこからはるか上方に「KATSURAGI」のモニュメントが見えた。今まで気づいていなかったがしあわせの森公園という施設が2017年にできていたらしい。興味はあったが200m近い標高差があり、今日は機会の少ない彼岸花(曼珠沙華)に集中したいのと、先ほどぶつけた脇腹が心配なので余計な負担は避けた。また再訪しよう。
中戸交差点から県道254号線に入ると、約1.2km直線が続く。アップダウンしながら真っ直ぐ伸びる道路は北海道のよう。
直線区間が終わってゆつい右カーブが始まる寺口地区に、何百本もの彼岸花(曼珠沙華)が群生していた。惜しむらくは盛りを過ぎた花が多かった。
県道254号線は寺口地区で左折して東進していくが、そのまま直進していくと、田んぼの土手に彼岸花(曼珠沙華)が群生して赤とんぼが群れていた。秋らしい風景にほっこり。
葛城山麓公園の入口の前を通過して坂を上っていき、平岡集落の山手を過ぎて、山口集落の下をすぎる辺りに乗馬クラブがあった。その先には他の乗馬クラブの案内看板があり、この辺りはそういう地区らしい。
坂をいくつか上っていくうちにかなり標高が上がり、ところどころで奈良盆地が見下ろせる。
葛城市から御所市に入って小林地区で葛城山ロープウェイから降りてくる県道213号線に合流し、今度は坂を下っていく。ひと下りした櫛羅地区で東進していく県道を離れて引き続き山沿いに南下していくと、分岐に石の道しるべと彼岸花(曼珠沙華)の風情ある取り合わせ。近辺にはこの道が「葛城の道」である現代の案内板が立っており、この辺りをちょくちょく走っていたことを思い出した。700Cで走り回っていた頃は時々辿っていた古道だが、ダートやハイキング道の区間もあるので小径車で全走は厳しい。今日もつまみ食いだけ通過した。
樽原で葛城の道を離れて県道30号線に入り南下していくと、道の西側の一言主神社方面に人だかりができていた。そういえばこの近辺は彼岸花(曼珠沙華)の名所として有名だった。葛城の道はダート区間があるので葛城の道から離れたが、ちょっと残念。せめてもと、県道沿いの彼岸花(曼珠沙華)を撮影。
国道309号線と交差する名柄交差点を過ぎ、郵便局のある交差点を右折して、水越峠を越える水越街道に入る。
さきほどぶつけた脇腹が痛むこともあり、休暇の並ぶ秋の田園地帯をゆっくり上っていく。黄金田の風景に気を良くして、国道309号線のバイパスを一切通らず(葛城)水分神社の前の小径を久々に通ってみた。以前はちょっとダートの区間もあったような気がするが、きれいに舗装されていた。大和と河内の水争いも起きた金剛山の峰を越えた導水の恩恵か、神社の前にも滔々と水越川からの用水が流れている。奈良側だけでなく大阪側にも水分神社(建水分神社)があり、どちらにも同じ水源の「水越川」が流れ下るという、本家争いのようなネーミングが不思議だ。
身体をひねると脇腹が痛むので、シッティング主体で大人しく旧道を上っていくが、涼しいせいか、カーボンリム化のおかげか、今までの印象より楽に上っていける。祈りの滝の入口にも数本の彼岸花(曼珠沙華)が咲いていたので、珍しく上りの途中で停まって撮影。名水として知られ、水汲み場が車や人でごった返している時期もあったが、今日は先客が一人いるだけで静かだった。
祈りの滝を過ぎると急勾配のつづら折り区間。以前は(車の)走り屋の人気スポットで、バーストしたタイヤの破片やぶつけて落下した車のパーツなどが散乱していた。理由はわからないが、今は割ときれいだった。
身体を乱暴に動かさなければ脇腹の痛みも大したことはなく、10時ちょうどに水越峠に到着。相変わらず、駐車車両がずらりと並んでハイカーが歩き回っている。ちょうど数台のロードバイクが大阪側から上ってきてすれ違った。
恐らくハイキングのアプローチ用だと思うが、峠に面白い仕様の自転車が駐めてあった。アンカーのMTBフレームだろうか? ブルホーンハンドルにバーコン、Vブレーキでなくカンチブレーキ、20年ほど前のパーツを中心に、ランドナー、クロスバイク、グラベルと行った新旧の既存カテゴリーに納まらない、オン・オフ両用のマルチパーパス仕様に仕上がっている。
国道309号線旧道からバイパスに合流し、府道202号線に入って西進し、二山越えて錦橋(高橋)で石川を渡ったのが10:38。寺山台で試しに少し北寄りのルートを辿ってみたが、事前にルートを引いてないので非効率なジグザグになってしまった。
今月は雑誌サイクルスポーツにCARACLE-COZが載ったので、帰路に書店に寄ろうとしたがマップソフトで検索すると、書店が激減していることを思い知らされた。自宅周辺にあった書店は、この10年ほどで少なくとも6店は閉店しており、現在一番近い書店が2km離れている。区役所のある北野田駅周辺に寄り道すれば何件かあるだろうと思ったら、駅から離れた雑居ビルの奥に隠れ家のような書店が1件あるだけで、そこにはサイスポは置いていなかった。仕方なく、自宅に一番近い深阪の書店に寄ってようやく購入できたが、ちょっとした遠回りになった。本の虫だった自分自身が年に2~3回しか書店に足を運ばなくなっているので、さもありなんというところだが、ネットの普及で「書店で本を買う」というかつては当たり前の生活習慣のハードルが高くなっている。
帰宅は11:45。最後で右往左往したが、彼岸花(曼珠沙華)の盛りに間に合い、久々に爽やかな風の中を走ることができた。
■STRAVA
秋彼岸 過ぎて田畦の 緋毛氈 [竹内峠-水越峠] | ライド | Strava
■Ride with GPS
秋彼岸 過ぎて田畦の 緋毛氈 [竹内峠-水越峠]・Ride with GPS
■CyclemeterGPS
CyclemeterGPSの記録
スタート: 2025/09/27 6:35:26
自転車完了: 2025/09/27 11:44:56
バイクタイム: 3:29:12
停止時間: 1:40:18
距離: 71.31 km
平均スピード: 20.45 km/h
登り: 879 m
カロリー: 2289 kcal
平均心拍数: 124 bpm
最大心拍数: 165 bpm
平均ペダルペース: 52 rpm
最高ペダルペース: 142 rpm
今月の走行距離: 571 km
今年の走行距離: 5998 km
先月の走行距離: 799 km
昨年の走行距離: 7989 km