四郷串柿の里偵察 その2 [紀見峠-竹尾-蔵王峠-堀越観音-東谷-大久保-鍋谷峠]

今年は久々に復活させたいと思っている串柿ツーリング。先週も下見を行ったが、台風直後でドロドロであろう蔵王峠や三国山方面を避けたので今日はもう一度試走しようと思っていた。今回は服部産業のH本さんも同行することになったが、またもや前日に雨の予報。やむなく紀見峠に迂回するルートを検討していたところに、H本さんから「紀見峠~さつき台~妙寺~蔵王~堀越~鍋谷という過酷なコースは如何ですか?」と、大筋は私が考えているのとほぼ同じルートの提案があった。

我が意を得たりで詳細ルートを詰め、距離83km、大きく3つの峠を超え、小さなアップダウンは山ほどある獲得標高2,000m超という、本番ではとても採用できそうにないハードコースの計画を立てた。

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朝7時に近所のコンビニで待ち合わせ。私はTORACLE-COZ(CARACLE-COZ RB試作フレーム)、H本さんはWilierゼロ・セッテという、お互いの会社の最軽量モデルが集合した。

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今回はH本さんのご友人、札幌在住のSさんも大阪帰郷の機会にご一緒することになった。COLNAGOにカーボンホイールを履かせたピュアレーシング仕様ながら、タイヤはPanaracerグラベルキングで少々荒れた道でも支障は無さそう。

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まずは国道310号線で河内長野方面に向かう。河内長野駅付近でコンビニに寄り、高野街道を辿って国道309号線旧道に入り、紀見峠を目指す。私が先導するが、H本さんもSさんも実業団登録経験者にして、今もツール・ド・おきなわに向けて準備に怠りのない猛者。後ろからのプレッシャーがスゴくてついつい無理をして踏み込んでしまう。紀見トンネル前で旧道に入ると、お二人を追いかける展開。

この付近でスリップして大腿骨を骨折したという話をしたところ、期せずして三人とも大腿骨骨折経験者であることが判明。お二人は鎖骨骨折の経験もあるとのことで、鎖骨を折ったことのない私は「自転車乗りとしてまだまだ」とのこと(^_^;)。

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8:36、紀見峠に到着したころには、序盤からかなり消耗していた。ここから和歌山側に下っていき、国道309号線沿いのコンビニで山に入る前の最後の買い出し。この後は大阪側を下るまで、コンビニは無い。


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一気に下っていくが、橋本市街地までは降りずに御幸辻駅付近から県道105号線に入って西進。ほどほどの上り基調で、沿道は果樹園や旧家の多いひなびた風景に心が和む。

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少しだけ県道103号線を通って、紀ノ川広域農道に入る。この広域農道は車なら快適なドライブコースだが、かなり急なアップダウンを繰り返すので、脚力不足の自転車乗りには過酷なルート。できるだけ避けているルートだが、今回は距離短縮と標高節約のために久々に利用した。

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5kmほどのアップダウンの繰り返しで私はすっかり打ちのめされたが、お二人には楽しいコースだった様子? 下中の徳龍寺付近の下り坂の途中で折り返すように分岐を右折して、坂を降りていく。川沿いに降りて三叉路を右折し、嵯峨谷川沿いに上り始める。

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序盤からなかなかの傾斜だったが、次第に傾斜が増していく。こんな急傾斜の細道の上に集落があると思えないほどだが、1.5kmほど上ると棚田の間を上り、やがて嵯峨谷の(下側の)集落が現れる。

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集落に入るとむしろ傾斜が厳しさを増し、コンクリート舗装の激坂。後ろから来た車を追い抜かせるために停車したら、再出発が大変。この集落にも串柿があるとの情報を見たつもりだったが、ひょっとしたら吊し棚かな? と思わせる小屋根がひとつあったくらいで、それ以外に吊し棚は見当たらなかった。

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集落の突き当りで折り返し、ひと上りすると先ほどの棚田と集落を見下せる。頑張って上ってきてよかったと思える風景だ。

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その先には紀の川方面まで見下ろす絶景。これまた苦労を癒やされる風景。

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その先は傾斜が落ち着いて、山中に突然多くの人家が立ち並んでいた。嵯峨谷の上側の集落は下側より開けた場所で人家も多い。高野口山村体験交流促進センター「ふるさと体験村」という施設やきれいなトイレもあった。自転車で上ってくると、こんな激坂の細道の果ての山奥に大きな集落があることが不思議に感じる。

以降は残念がらデジカメの調子が悪く、画像が消えてしまった。文章だけではイメージが伝わらないだろうが、お許し願いたい。

かろうじて軽自動車がようやく通れるくらいの荒れた細道を、アップダウンしながら山腹を横滑りしていくと竹尾の集落。ここには串柿の吊し棚らしきものがいくつかあった。今はまだ何も吊るされていないが、今月末には柿が吊るされるだろう。

その先の分岐は荒れて濡れた路面に、ダートじゃないか? と心配させる道に入っていく。幸いコンクリート舗装は続いていたが、杉の葉が散乱して濡れた急斜面は上りでも滑りやすく、慎重に進んでいく。急坂を乗り越えると人家が数件あったが、すごいところに住んでいるな、という印象。ようやくのことで通ったことのある県道61号線に出ると、ホッとする。

傾斜が緩み、路面状態が良くなったので、自転車が急にスムーズに進みだした。H本さんは「電動アシスト車みたい」との表現。10:30過ぎに、蔵王峠に到着。ここに、ご夫婦なのか男女ペアの自転車乗りがいらしたので、H本さんが声を掛けた。聞くと大阪側から上ってきたようで、やはり急傾斜と荒れて濡れた路面が大変だったとのこと。我々はわざわざ何十キロも迂回してきたことを伝えて、「どっちが大変なんでしょうね」とお互い苦笑い。これから和歌山市方面を経由して海沿いに大阪に戻るとのことで、我々以上の長距離ライドになる。すごいカップルだ。

蔵王峠からはさらにひと上りして、ピークを越えると堀越観音。時刻は10:50過ぎ。自転車を止めてお参りして、しばし小休止。境内からの景色も良い。山中のお寺ながら、遠くからも参拝者の訪れる名刹だ。堀越癪観音とも言い、「癪(内臓疾患全般?」に霊験あらたかとのこと。

堀越観音からは荒れた急坂を下っていく。途中の中畑の集落では串柿の吊し棚の準備が進んでいた。まだ「串柿」は無かったが、一か所「吊るし柿」が並べられている場所があった。恐らくこれは早い時期に食用として出荷されるものだろう。これが見られただけでも、今日来た甲斐があった。

「?」となる人もいるかもしれないが、串柿は10個ないし5個を串に刺した正月飾り用の縁起物であって、「食品」ではないとされている。食用の吊るし柿(干し柿、あんぽ柿)とは、別物なのだ。

先週パンク修理をした分岐まで下って、右折して大久保に向かう。文蔵の滝の前を通過して穴伏川沿いの急坂を上っていくが、ここも平均勾配15%を超える規格外の急坂だ。私がノロノロ上るうちにお二人が先行していく。さすがの脚力だ。

右に行けば神野の分岐を左折すれば傾斜は緩む。大久保の集落に入ると先週とほぼ同じ風景で、まだ串柿は吊るされていない。それでもところどころで柿を収穫している風景が見受けられ、串柿シーズンが近づいていることを伺わせた。

先週上ってきた平からの分岐を過ぎ、11:30を過ぎに定福寺で小休止。ここからは三国山方向に上る急傾斜を上っていく。たまにしか晴れ間のない曇り空が続いているので、杉林の中のコンクリート舗装路は濡れた杉の葉が散乱している。傾斜が増したからと行ってダンシングで上ろうとすると、後輪が滑りやすい。できるだけシッティングでトルクを一定に保って上り続けるしか無い。

修行のようなルートを上るうちに、徐々にお二人に置いていかれる。やがてH本さんの姿が前方に消えていき、見えなくなった。まだ見えるところにいるSさんが「ウァッ!」と声を上げたので、何かと思えば「ヘビを踏んでしまった」とのこと。見ると50~60cmはあろうかというヘビが、慌てて道端に消えていくところだった。北海道在住のSさんは、ヒグマの出没するルートを避けて走っているという話を聞いていたので、「クマでなくて良かったですね」。

距離はわずか1.5kmほどだが、標高200m以上を一気に上る勾配15%を越える難路を制覇して、本日の最高標高地点である三国山と鍋谷峠への分岐地点に到達。標高は790mほどだろう。

ここからは急坂を鍋谷峠まで下っていく。アスファルト舗装になって先ほどまでより路面状況は改善するが、荒れて杉落ち葉が散乱しているのは同じ。慎重に車輪を進める。

12:00ちょうどに鍋谷峠に到着。ここまでくればいつも通い慣れた道だ。大阪側に下って、父鬼集落の自販機でひと息。今日は気温はさほど高くないが、湿度が高く意外と汗をかいた。冷たい飲み物が美味しい。

ここからは小川大野トンネルを通る新道で国道170号線方面に抜けていく。交通量の少ない広い遠路にペースが上がり、トンネルへの坂道も一気に上りきって・・・しまいたかったが、いい加減消耗した私は失速。後ろのお2人は物足りなさそうに後ろでじれている様子が伺える。

終盤は残る力を振り絞ってペースを上げたが、Sさんは余裕で先行してアップダウンを乗り越える。山中で「降りて押そうかと思った」と言いながら、さすがの脚力だ。本番で集合地点にする予定の荒山公園の駐車場に立ち寄り、この時期の開場時間が7:30であることを確認。

13:20頃、スタート地点であるコンビニ付近に帰ってきた。お二人のご協力に感謝して、2回目の下見ライドはお開きとなった。今日のコースも、通行止区間がないことは確認できた。

久々の串柿ツーリングの本番は、一番の見どきである11月中旬に設定したいと思っている。具体的には11/16(土)が最有力候補(雨天予備日11/17)だが、翌週11/23(土)にするかもしれない(雨天予備日11/24)。コースはまだ検討中だが、よほど健脚者でないと今日のようなアップダウンを繰り返すロングコースは難しいだろう。蔵王峠大阪側は試走もできていないし、数日晴天が続かないとドロドロなのでコースに入れるのはリスキーだ。とは言え、大阪側からの山越えルートは限られるので、悩ましいところだ。

近いうちに詳細を決定するつもりだが、スズカエンデューロやツール・ド・おきなわ後の脚休めに、のんびり(?)串柿を眺めるツーリングはいかがでしょうか? 日常離れした美しい風景(と激坂)があなたを待っているはずです。ご興味のある方は、「問い合わせフォーム」や各SNSのメッセージでお問い合わせください。

過去の串柿ツーリングの模様は下記をご参照ください。


■STRAVA

四郷串柿の里偵察 その2 [紀見峠-竹尾-蔵王峠-堀越観音-東谷-大久保-鍋谷峠] | ライド | Strava

■本日の走行記録(自転車)

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CyclemeterGPSの記録
 スタート: 2019/10/20 6:37:17
 自転車完了: 2019/10/20 13:21:59
 バイクタイム: 4:27:17
 停止時間: 2:17:03
 距離: 87.74 km
 平均スピード: 時速 19.70 km/h
 登り: 1527 m
 カロリー: 3236 kcal
 平均心拍数: 133 bpm
 最大心拍数: 173 bpm
 平均ペダルペース:  54 rpm
 最高ペダルペース: 136 rpm
 今月の走行距離:  709 km
 今年の走行距離: 7464 km
 先月の走行距離:  706 km
 昨年の走行距離: 7965 km

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これまでのコメント

  1. […] コンクリート舗装の間道は枯れ枝や落ち葉が散乱して荒れているが、急坂を少し上ったら、あとは下り主体のアップダウンが続く。このルートにも串柿があるらしいと、昨年逆ルートを走ったことがあるが、時期が早かったので実際に串柿を見ることは出来なかった。今回はそのリベンジだ。 […]

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