伝説の壁坂、久々の挑戦 [信貴山-暗峠]

 週末全てに仕事絡みの自転車イベントが入った11月が終わり、先週土曜は自転車から離れて阪神タイガースのファン感謝デーに行って来た。息子共々盛り上がり、日曜は走る元気もなく、久々に自宅でのんびり。

 さて、今週末はどうするか? 今シーズンは冬になっても自転車ばかりだったので、ジョギングというパターンも考えたが、やはり二週間に一度は自転車に乗っておきたい。では、ロングライドか峠か?

 シーズンオフなのでトレーニングライドばかりでは、ツマらない。普段あまり行かないルートがないか考えていたが、結局、久々に暗(くらがり)峠に登ってみることにした。11/13の帰省ライドでひとつ東の榁木峠を越え、暗峠をあらためて意識した。

 加えて、12/3放映のテレビ番組「リミッターズ・ハイ」で暗峠が、自動車さえ上るのが困難な「日本一の急坂」として取り上げられた。

 R308の阪奈国境、暗峠は国道でありながら急坂、激坂、壁坂、様々な表現がされる規格外の峠だ。はっきり言って、ここは自転車のトレーニングに行くところではない。どちらかというと、根性を鍛えに行く所と言った方がいいだろう。腰痛を患ってからは、上ることを諦めて、すっかりご無沙汰していた。

 この所、何度か急坂を上る機会があったが、思った以上に苦しまずに上ることができた。そこで、まずは難易度の低い奈良側から暗峠に挑戦し、様子を伺うことにしたのだ。

 暗峠だけではさすがに上りが少なすぎるので、その前に信貴山に上る通称「ぶどう坂」を上ることにした。ここも非常に久しぶりだ。

111210_071032 6:20頃自宅を出走し、最低気温2度の冷え込みの中、中央環状線(府道2号線)を北上。大和川と交差したところで、土手上のサイクリングロードに入り東へ。上ったばかりの朝日がまぶしい。

111210_073000 R170旧道に入り、大県南交差点。ここがぶどう坂の上り口。先日の十三峠行きでは素通りしたが、気になっていたのだ。前方にこれから上る道が見える。

111210_073836 ノリクラ向けのトレーニングには、急坂すぎるし標高も低い。交通量も多いことから敬遠していたが、久々に上ってみると意外にスイスイ。見晴らしがよくヘアピンコーナーが続くので、一見すると凄そうだが、序盤は実はまだマシ。

111210_073912 今日は大阪平野が見渡せる絶景。

 後に暗峠が控えているのでセーブしていたが、意外と疲れてきた。尾根を越えた後半は傾斜の緩急が激しいせいで記憶よりタフなコースだったが、妙にお腹が空いたのでハンガーノック気味だったのかもしれない。昨日買い込んだミニあんパンをかじったりしながら、のんびり上った。

111210_081058 8:10頃、ピークの信貴山のどか村付近に到着。

111210_082026 奈良側にちょっと下ったところで、信貴山朝護孫子寺へ寄ってみた。寺の参道に架かる開運橋の手前に、この看板。珍しい戦前のカンチレバー構造で国の登録有形文化財になったとのこと。

111210_082146 今日はカンチレバーブレーキを装着した自転車で、カンチレバー橋を渡ることになった(実は2回目だが)。

111210_082414 信貴山朝護孫子寺は、聖徳太子が物部氏と戦う際に毘沙門天が現れ、それが寅年寅の日寅の刻であったことから、虎を縁としている。境内にはこんな巨大な虎の張り子(大寅、世界一福寅)もある。と、なれば当然阪神タイガースにも縁の名刹(?)。

111210_082540 紅葉のキレイな赤門まで、自転車を押してやって来た。

111210_082722 赤門をくぐったら、本堂はまだはるか上。久々なのですっかり境内の配置を忘れていたが、これはクリート付のシューズでは厳しい。時間もかかりそうなので、今日はここで引き返した。途中、大寅に阪神優勝祈願。

111210_083524 帰路は開運橋を渡らず、下をくぐって信貴山を下った。

111210_084622 下る途中で県道236号線から離れて、生駒山系の中腹を走る信貴フラワーロードを北進。奈良盆地は晴れているが、朝もやに煙っている。寒いが気持ちのいい天気。

 アップダウンを繰り返す信貴フラワーロードはなかなかタフなコース。最後は東山駅方面に下るが、斜め後ろに戻るようなコースになるので、地図にあった細道に入ってショートカットを試みた。

111210_090636 ところがその道は落ち葉が積もるコンクリート舗装の凸凹道で、とても快適なルートとは言えない。それでも田畑の間の道は風情があるとも言えたが・・・。

111210_091414 何と、途中から舗装が途切れて、ドロドロのダートに。引き返すのはしゃくだし、相当上り返す必要がある。意地になって進み続けたが、自転車がずいぶん汚れてしまった。大失敗の巻。

111210_092708 ようやく舗装路に復帰して尾平尾町の住宅街に。ここまで来れば暗峠へ続くR308は目の前だが、アップダウンと入り組んだ道で、なかなかたどり着けない。iPhoneの地図には道があっても、階段状の急坂があるダートの細道だったりで、行きつ戻りつ。

111210_092916 ようやくR308にたどり着いたが、これもうっかりすると通りすぎてしまいそうなただの路地だ。

111210_093338 久々のR308は住宅地の中の細道から始まり、徐々に傾斜がキツくなってくる。集落が途切れた地点で「↑暗峠」の標識と、生駒山頂のアンテナ群が見えた。この辺りから本格的に急傾斜が始まる。

111210_093720 断続的に現れる集落の中を、コンクリ舗装の急坂がぐんぐん上っていく。舗装がスムーズでないので走りにくいが、ギアをフルインナーにぶち込んで、立ちこぎで何とか上っていく。

111210_094712 中盤はやや傾斜がマシになり、アスファルト舗装に。と言っても、息がつけるような傾斜ではない。

111210_095416 そして最後にまたコンクリ舗装が現れた。距離はわずかだし、舗装もキレイだが、ここが本当にキツい。前26×後24Tの反則ギアでも、ムリに直登しようとすると、前輪が浮くか、後輪がスリップしそうになる。幸い、道幅が少し広いので、久々に蛇行。今日はドライコンディションだから何とかなったが、ウェットだったら絶対ムリだ。

111210_095850 ふっと傾斜が緩くなり、目の前に生駒信貴スカイラインをくぐるトンネルが現れた。よし、ようやく終了、と思ったらトンネルの中が一番傾斜がキツかった。何とか死ぬ気で突破。

111210_100156 10:00ちょうどに石畳の暗峠に到達。久々の暗峠は奈良側からでもかなりの厳しさだったが、何とか足をつかずに上りきることができた。よし、近いうちに大阪側からも上ってみるか、と気分も昂揚。

111210_100318 以前よりも茶店や土産物屋が増えているようだ。主にハイカーだが、結構人も歩いている。こんな難路の上に集落があるのは違和感があるが、古くからの街道の証拠だろう。往時は大阪と奈良を結ぶ最短ルートととして賑わったそうだ。

111210_101030 峠の平坦部分の端っこ。これから、大阪側に下る急坂が始まる地点。谷の間に大阪平野が見える。毎度のことながら、違和感のある風景。

 下り始めてすぐ、あらためて傾斜の凄さに戦慄した。谷伝いに一気に直降する道は、腰を思いっ切り後ろに引き、力いっぱいブレーキを握り締めていないと、前転しそう。奈良側とは比べ物にならない厳しさだ。

111210_101620 と、見覚えのある風景が。先日のリミッターズ・ハイで、車も上れない「傾斜角日本一のヘアピンカーブ」として取り上げられてはいたが、生で見ると一段とえげつない。自動車のスリップ痕が何筋も残るこの傾斜を見て欲しい。路面がかなり荒れているのもわかるだろう。

111210_101733 iPhoneを路面に置いて、角度を計ってみたら「21°」の表示。「%」じゃないですよ、「度」です「度」。道路傾斜の表示として一般的に使用される%表示に直すと『38.4%』ということです。カーブのイン側とは言え、これは絶対に国道の傾斜じゃありません。前述のリミッターズ・ハイでは測量士らしき人が計測して「37.185%」と表示してましたので、こちらの方が正確でしょうが、いずれにしてもとんでもない傾斜です。

 先ほどの昂揚もどこへやら。すっかり戦意を消失(^^;。考えてみれば腰痛を患う前でも、大阪側から足をつかずに上り切れたことはないんだし・・・。記憶が薄れて、なめてました、ハイ。

111210_102254 さらに急坂を下り続けると、枚岡公園の中を通り抜けていく。紅葉がキレイなわき道でパチリ。

111210_103048 枚岡公園を抜けると住宅街。新旧の家屋が細道沿いにびっちり続いている。この急傾斜では生活も大変だろう。

111210_103316 目の前が開け、近鉄奈良線の線路が横切れば、酷道は終了。10:30過ぎ。

 初めて来た人は迷うことが多いようだが、私の自転車が置いてある細道が正解。「国道」という先入観を捨てて、標識通りに細道に突入すれば、それが暗峠道だ。ただし、私が出てきたのは一方通行出口なので、自動車向けの標識に従って少し迂回した方がよいだろう。自転車は逆走可能だが、車が結構多いので危険だ。

 ここからはR308も国道の姿を取り戻す。二車線になり傾斜のゆるくなったR308を進み、中央環状線(府道2号線)で南下。ちょうど正午に帰宅した。

 暗峠の大阪側は、下っただけでも恐るべき急坂であることを、あらためて思い知らされた。記憶を辿れば、私のヘルメットがたった一回役立ったのが暗峠の『上り』だった。急傾斜のあまり、踏み込んだ途端に前輪が浮き、そのまま後転してゴロゴロと坂道を転げ落ちたのた。上りでヘルメットが必要な坂は、ここくらいだろう。

 腰痛を患ってからはご無沙汰していたが、近いうちに大阪側の暗峠に挑戦するかどうか? 果たして私の脚(と腰)は保つのか? ちょっとおじけずいている(^^;。

■コースマップ

■本日の走行記録(自転車)

Cyclemeterの記録
 スタート: 2011/12/10 6:22:39
 完了: 2011/12/10 12:00:07
 バイクタイム: 3:30:38
 停止時間: 2:06:43
 距離: 73.92km
 平均スピード: 時速 21.06 km
 最高スピード: 時速 66.83 km
 登り: 856 メートル
 カロリー: 1517 kcal

POLAR CS200CADの記録 (スピードメーター不調)
 走行距離: –.-km
 消費カロリー:3005kcal
 計測時間:5:37:07
 平均心拍数:129
 最大心拍数:178
 平均速度:–.-km/h
 最高速度:–.-km/h
 平均ケイデンス: 78
 最大ケイデンス:125
 心拍数ターゲットゾーン:130-152
 ターゲットゾーン以下時間:2:48:39
 ターゲットゾーン内時間:2:10:34
 ターゲットゾーン以上時間:0:37:54
 走行時間:-:–:–
 累計走行距離:3073.5km(2010年12月10日より)

■本日のフォトアルバム

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これまでのコメント

  1. […] さらに、最も傾斜の厳しい中盤のヘアピンカーブにはイン側37%という「壁」が待ち構え、国土交通省により国道で日本一の傾斜と認定されているとのこと(画像は昨年奈良側から上った際のもの)。傾斜だけではなく、狭い道幅と、意外に多い通行車両、木々に覆われ湿りがち(滑りやすい)の路面もあって、なまじの自転車乗りの挑戦をはね退ける、近くて遠い峠だ。 […]

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