サイクルモード大阪 その2

【mixi日記 及び 旧ブログ から転載したものです】

[サイクルモード大阪 その1]からの続き

091128_122742 愛三工業レーシングの鈴木謙一選手。

091128_123528 ピスト系懐古調自転車は、今年も多数展示。


091128_123814 Pashleyの懐古調自転車についていた無銘のクランク。往年のカンパのスーパーレコードにそっくり。仕上げもそう悪くない。

091128_124112 Tommasini、CASATIのスチールフレーム。この手のクラシックなフレームは実のところイタリアではあまり人気がなく、日本とアメリカが主な市場だそうだ。


 

091128_125418 シマノブースで展示されていた別府史之使用シューズ。

091128_130544 OBKカブトブースで、サイン会をしていた別府史之氏に遭遇。


091128_132112 今年、別府史之と新城幸也が出場するまでは、(戦後)ただ一人のツール・ド・フランス出場者として名をはせていた今中大介さん。

091128_140044 サイクルスポーツの岩田編集長に、乗鞍で掲載いただいたことをお礼申し上げた。実は、石田ゆうすけ氏とトークショーが迫っており、直前に邪魔をしてしまった。申しわけないことをした。

 ひと巡りして、腰もツラくなってきたので14:30頃には会場を後にした。この時間帯になっても歩き回るのにそれほど不自由はなく、昨年より人混みがマシになっていたようだ。主催者や出展社の運営がスムーズになってきたせいであればよいのだが、ひょっとすると入場者が減っているのかもしれない。昨今の景気低迷でも比較的堅調だった自転車業界だが、業界人としては一抹の不安だ。

 数年前からの流れが加速して、ピストを筆頭に懐古調自転車や女性向けアイテム、カジュアル調のサイクルウェアなどが存在感を増している。ブームのお蔭で、ノーマルステム、ノーマルブレーキレバー、皮サドル、カンチブレーキといったツーリング車向けのパーツの供給が復活しているのは、喜ばしい。

 ただ、流行ファッションとして自転車が取り上げられている現在の状態は、明らかにバブルだ。ファッションとして自転車を楽しんでいる層の大多数は、他に目新しい流行が起きれば、すぐに自転車以外に興味を移してしまうだろう。スキー、キャンプ、キックスケートと、大ブームになりながらすたれてしまったものは多い。自転車を生業とする人間としては、素直に喜べないところがあるのだ。

 それでも自転車の面白さに目覚めて定着する人は多いだろうし、自転車業界のバブルが今回が初めてではない。今生き残っている老舗業者は、10スピードサイクリング車ブーム、BMXブーム、マウンテンバイクブーム等々の大きな山とその後の大きな谷を乗り越えてきているので、意外と慎重だ。

 はたから見ると、ブームに乗ってピスト関連など懐古調パーツの供給が次々増えているようだが、実のところ多くの業者は「いつブームが終わっても不思議は無い」と考えて、過大な在庫は持たず、常に引き際を考えている。

 一方で、最近この業界に参入した業者や出版関係者には、こうした動きが慎重過ぎるように思われ、不思議で仕方ないらしい。「(こんなに愛好者が増えているのに、)自転車業界の方は、何でこんなに悲観的なんでしょうね?」と質問されたことは一度や二度ではない。

 彼らからみれば自転車業界は前途洋々。これからもどんどん伸びていくと思っているのだろう。私も何十年という長期的に見れば、自転車スポーツの愛好家は増えていくと思っている。しかし短期的な上下や、バブルは必ず起きる。そしてバブルは、はじける直前が一番華やかなのだ。世界同時不況下の今なら、理解できる人も多いだろう。

 しかし、好況期には多くの人が、その後に不況がやって来ることを忘れてしまう。今回のブームでも、このことを理解できなかった業者は、その多くがブームの終焉と共に(少なくともこの業界から)姿を消すだろう。いや、理解している業者でも、ブーム後の不況を乗り切るのは容易ではない。

 それでも、自転車が本当に好きな人たちが育っていれば、今後も日本のサイクルスポーツが途絶えることは無い。業界人としては、一時の浮利を追って経営を誤ったりせず、愛好家の役に立てる商品を供給し続けていくことが大事だと思う。また、一愛好家としても、このmixiやブログを通じて自転車の楽しみ方(のひとつ)をアピールしていくつもりだ。


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