台湾自転車事情2010その3

【mixi日記 及び 旧ブログ から転載したものです】

[台湾自転車事情2010その2]よりの続き

 日本ではまだまだマイナーな使用法ですが、「自転車で音楽を楽しむ」グッズが増えているのも傾向のひとつです。ハンドル等に取り付けられるMP3プレーヤーやスピーカーが多数展示され、iPodのコントロール機能を備えたものやライトと一体化したものなど、各業者が機能を競っていました。

100319_161750 シマノブースで、話題の電動変速機を試用してみました。「シャキシャキシャキン」という瞬間的な変速を期待していましたが、少し期待外れ。ローラー台には負荷を掛けない状態だったにも関わらず、リアのシフトアップでも「ガーシャン・・・ガーシャン」とまどろっこしい。

 実際に長距離を走ったわけでもないので断言はできませんが、デュラエースを使うようなレベルの人は満足できないのではないかと思えました。でも、初心者にはとてもよいシステムでしょう。

 5Fの中国業者フロアを一巡すると、品質やデザインのレベルアップに驚かされました。コピー商品も多いのですが、一見した限りではそんなに遜色のない部品や用品を作る力を身に付けている業者も増えています。

 現時点では、低価格帯の商品が主流ですし、手に取って良く見ると、仕上げや品質が劣るものがほとんどです。とは言え、自社ブランドを立上げてパッケージまで含めたトータルデザインを考える業者が出現していることは、単なる下請け生産業者を脱しつつあると言えるでしょう。

 昨年までもその傾向はあったのでしょうが、ひとかたまりに隔離されたことで、あらためて成長を認識しました。中国が今すぐ台湾に取って代わることはないでしょうが、5年後には強大なライバルに育っていることでしょう。

 総括すると、今年の台北ショーは台湾自転車業界の復調を感じさせるものでした。とんでもない新発想の商品こそ見当たりませんでしたが、色々と工夫を加えた新商品が増え、開発に力を入れているメーカーが多いことが伺えます。

 日本を含め、昨年の東アジアの自転車業界の景気が悪くなかったことは、来場者増から想像できます。一方で、欧米からの来場者はさほど増えた印象がなく、回復にも差があることが伺えました。

 これは私の想像ですが、この東アジアと欧米の差は、単純に景況の差を反映しているだけではないと考えています。長い歴史を持ち、すでに成熟した欧米の自転車業界と違い、東アジアではこの数年でようやくサイクルスポーツが認知され、大きく育ちつつあります。この勢いのお陰で国全体の景況に左右されず、「自転車業界だけは景気が良い」状況を作り出しているのではないかと思えます。

※その他会場風景

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