波乱の激坂ツーリング2016 [蔵王峠-串柿の里-鍋谷峠]

161204_065826今年は11/27に開催を予定していた「串柿&激坂ツーリング2016」は、一日中見事までの雨で中止を余儀なくされた。12月に入ると串柿の景色は期待できないので、順延もできず、「串柿」ツーリングは来年に持ち越しすることにした。

それでも、翌週に走りに行かないかとお誘いもあり、私自身も悔しいので今日同じコースを走ることにした。もはや「激坂」しか期待できないも関わらず、6人が参加を希望。

ところが、またもや雨の天気予報(涙)。かなり迷ったが、午後早い時間までは雨は降らないようだし、今回は経験豊富な参加者ばかりだったので、開催を強行することにした。

主集合地点の荒山公園に向かう途中で行く手の山々を眺めると、まだよく晴れていた。写真を撮っていると通りかかったのは、前週参加予定だったYさん。今日は昼前から用事があるので参加できないが、用事の前に鍋谷峠を往復してくるとのことだった。

161204_0730447時過ぎに荒山公園に到着して、しばし待機。次々と参加者が集まってきた。輪行組のプレ集合地点であるJR鳳駅には近所の友人が迎えに行ってくれており、7:25頃には輪行組2人を連れてやってきた。輪行組は滋賀県野洲市から参加のM輪さんと、埼玉県春日部市から来てくれたN田さん。どちらも学生時代からの付き合いの乗鞍仲間だ。

集合時間の7:30までには私を含めて7人の参加者が集まった。輪行組と近所の友人以外は、同僚のテック・ワン社員が2名(うち1名は最近入社した新人)と、服部産業のH本さん。雨が降り出す前に帰ってくるために、今日は急ぎ足の運営をお願いし、簡単に自己紹介して早々に出発した。

まだ良く晴れた青空の下、まずは府道61号線の東側を並走するルートを進み、片倉交差点で左折してまずは脚試しの上り坂。府道38号線と合流してさらに上っていき堺市と大阪狭山市の市境付近で右折して天野街道に入る。

161204_080253ひとまずのピークは大阪狭山市、堺市、河内長野市が接する地点。ここにあるのが穴地蔵。目、口、鼻、その他身体中の穴の病気にご利益があり、子授けの霊験もあらたかとのこと。

161204_080640尾根上の天野街道を進んでいき、ひと下りすると「左かうや(高野山) 右あまの(天野山金剛寺)」と記された石柱が立っている。天野山金剛寺は女人高野として知られ、往時は女人禁制の高野に向かう男と、天野山に向かう女が別れた場所だ。

引き続き天野街道を進むと、田畑を見下ろしながら進む平坦な細道。路面はやや荒れているが、車はほぼ通らないので、初心者や子どもでも安心して進められる自転車向きの道。ただこの時間は散歩やジョギングの人が結構いたので、注意が必要だった。

161204_082325きれいな人工芝のサッカー場ができた下里総合運動場の脇で天野街道を外れて国道170号線旧道に入り、同バイパスに抜ける細道に突入。試走時に初めて通り、細いだけでなく急勾配やダート区間があったので、女性の参加表明もあった本番では通るのを止めようかと思っていたが、 仕切り直しの今回は中級者以上の参加者ばかりだったので、ネタとして突入。細道の出口の民家の住人が、思わぬ方向から自転車が現れたせいか、びっくりした顔をしていた。

161204_082653酷道の後は国道(170号線バイパス)に出て、山中に入る前の最終買出しポイントのコンビニで買い出しと休憩。

自転車乗り(の中高年?)が集まると、休憩の度に自転車談義で話が盛り上がる。ついつい休憩が長くなりそうなところを、今日は強引に断ち切って再出走。

ここからは府道218号線に入って、石川沿いに遡っていく。滝畑ダムに向かうには関西サイクルスポーツセンターの前を通る2車線の市道もあるが、かなりの急坂があり、ずいぶん高度を上げてから下るという自転車には効率の悪いルートだ。

161204_085145一方で府道218号線は1.5車線の細道ながら、傾斜は比較的緩く、無駄なアップダウンもない。交通量も少ないのでリラックスして上れるルートだ。この後に厳しい上りが控えているので、序盤はできるだけ楽なルートを選んだつもり。

161204_085526楽とは言ってもそれなりに上り、深い谷底を見下ろす地点もある。一気に山中に入った気分が味わえるルートだ。


161204_090020最後はダムに向かって急坂を上り、滝畑ダム湖まで上る。そこそこ厳しい上りだが、これからの道のりに比べたら、オードブルにもならない。

161204_090553予定ではダムサイトを渡って、対岸の歩行者自転車専用道を進むつもりだったが、今日は時間短縮のためにダムサイトを横目に見て素通り。湖岸の府道218号線と延長上の府道61号線を進み続ける。


ダム湖の奥の石川をさらに遡っていくと、渓流が現れる。夏場は水遊びやキャンプ客で賑わうが、この時期はほとんど人影がなく静か。

光滝寺キャンプ場の横から、これまでとは傾斜のレベルが違うコンクリート舗装の急坂が出現。いよいよ「激坂」第一弾だ。早速、押しが入る参加者も。

161204_092716161204_092722登りきると傾斜は一瞬落ち着くが、荒滝キャンプ場の脇からはコンクリート舗装に石が埋め込まれた難路が現れる。

凹凸が激しく、表面がツルツルになった石で滑りやすい激坂は、ヨーロッパのクラシックレースで使われるパヴェ(石畳)を思わせる。私は勝手に「奥河内のユイの壁」と呼んでいる。

161204_092739もっとも、コースのイン側はアスファルト部分もあるのでここを通れば楽だが、意図して、あるいは意図せずに石畳にチャレンジする参加者も(笑)。

CARACLE部隊の新人N岡さんも、他社折りたたみ自転車で奮闘。ここまでにもチェーン外れやボトルの脱落など、いくつかの小さなトラブルを起こしてイベントのネタづくりに協力してくれていた。事前にだいぶ脅してはいたが、ここまでの難路は予想していなかったらしく、不安げに「あとどのくらいですか?」と尋ねられたが、試走済みの近所の友人は、「まだオードブルを食べ始めたばかりだね」(^_^;)。

いきなり乗り慣れていない自社商品で長距離走るの不安だったのだろうが、今度はCARACLE-Sで来てもらおう。乗り比べて感想を聞いてみたい。

161204_093547序盤の難路を過ぎると傾斜はやや落ち着くが、それでも厳しい急坂が断続的に現れ、路面に水が流れている箇所もある。滑りやすいし、自転車も汚れてしまうが、そばを流れる渓流はキレイだ。

次第に集団がバラけ、先頭グループは私と同僚F永さんとH本さんの3人に。別に私が早いわけではなく、コースリーダーの私より先行できなかっただけだが・・・。

F永さんはCARACLE-Sではなく451サイズのタイヤを履かせたCARACLE試作車。雨が降る可能性が高いことから、H本さんは今日は自社商品のWilierではなく、26年乗り続けているというマッドガード付きのクロモリロードバイク(というか、時代的にはロードレーサー)。ハブダイナモも装着した重量仕様で、フルインナーでも前39Tx後25Tという高レシオながら、ひょうひょうと登っていかれる。

161204_094621峠はすぐそこだと伝えた途端に、F永さんとH本さんが先行。後を追って蔵王峠に到着したのは9:45くらい。峠のすぐ手前に分岐があるので、後続メンバーに向けて目印代わりにTORACLE(虎来る號)を置いて、峠でひと休憩。

161204_095025晴れ男F永さんの威力か、峠まで登っても陽射しがあり、思ったより暖かい。雨雲は徐々に接近しているが、まだ松山辺り。


161204_095357後続メンバーも続々と峠に到着。10時前には全員が上がってきた。新人N岡さんの脚力が未知数だったが、フラットハンドルの他社製折りたたみ自転車でもさほど遅れることもなく、順調な進行状況だった。

161204_100413161204_100346蔵王峠の分岐から、西に向かってもうひと登り。道幅が広くなり、走りやすく思えるが意外に傾斜はキツく、10%近くある。幸いなことに空はまだ青空が多く、陽射しがポカポカと暖かい。

161204_101317府県境でもあるピークに到着。ここには三国山レーダー方面に向かう林道の入り口があるが、オフロード。ちょうどオフロードバイクの方が通りかかったので、こっちに行かないんですか? などと話掛けてみると、今日はこっち、と反対側のシングルトラックに入って行かれた。あっと言う間にダートの坂道を上っていく姿に、やっぱりエンジン付きはスゴイなと皆で感嘆。

161204_101825和歌山側に少し下って堀越癪観音にお参り。境内にそびえる大銀杏は黄色に染まってハラハラと落葉中。

161204_103654ここからは急傾斜の下り坂。やや荒れた箇所もあり、タイトコーナーが続く。しばらく下っていくと、まだありました「串柿」。

すでに空き棚も多く、残る串柿も雨が近づいているせいか、取り込んでおられる最中だった。それでも、青空と串柿の風景が見られたのは幸運だった。

しばし車輪を止めて「串柿は10個の柿が挿してあり、両側に2個ずつで『夫婦ニコニコ(2個2個)』、真ん中に6個で『仲、睦(6つ)まじく』という意味があります」などと解説しているうちに、前輪の違和感に気づいた。

161204_uchi01パンクだ・・・。

雨雲が迫る中、主催者がトラブルを起こすというお恥ずかしい状況だが、周囲は笑顔。「やってくれると思ってたよ」「串柿のポイントでパンクとはでき過ぎ」「仕込んだだろう」と囃し立て、チューブ交換をしている私を撮影してSNSに投稿するなど、全く切迫感がない。

串柿を取り込んでいた地元の方にも「大丈夫か?」と尋ねられたが、私に代わって「いつものことなんで、ご心配なく」と応えてくれる始末(^_^;)。

暖かい(?)反応に救われて修理を終え、下り再会。下る途中の他の吊り棚はほぼ空になっており、パンクをした場所が貴重な見どころだったようだ。

161204_105938文蔵の滝付近の分岐で停車して、「ここからがメインディッシュで、まずは魚料理」とお知らせ。激坂第二弾ということだ。

161204_110408161204_110411部分的に20%近い傾斜もあるコンクリート舗装は、なかなかにタフで、新手の新人イジメとのコメントも(^_^;)。

161204_111500そんな中でも、H本さんとF永さんは先頭グループでグイグイ上り、私もついていけなくなったので、自分のペースでタラタラ上る。押して上がるメンバーも多かったが、距離は知れている。11:15頃には全員が激坂第二弾を上りきった。

161204_112318集合した神野との分岐地点からは、すぐに大久保集落だが、道沿いの吊り棚はほぼ空で、残念ながら見栄えのする風景はなくなっていた。

161204_112549出荷が進んでいることもあるだろうが、雨が当たりそうのない大きな屋根の下には少し串柿が残っていた。吊り棚に残っていた串柿も、雨に備えて屋内に取り込んだのだろう。

折しも次第に雲が空を覆いつつあり、今日ももう少し早くたどり着いていれば、多少は串柿を見られたのかもしれない。私のパンクがなければと悔やまれる。

161204_113328本来は串柿のメインの見どころであった大久保の集落は残念な状況だったが、定福寺で最後の激坂に備えて大休止。やはり自転車談義で盛り上がる。

11:40頃再出走。ここから激坂第三弾。メインディッシュ肉料理は、ほぼ15%の上り坂が2km近く続く。山深く暗いコンクリート舗装路は、気分的にもかなりしんどい。最初から押しに徹する参加者もいたが、歩いても20分もあれば上りきれるので、激坂は無理せず押すのも正解だ。

元々のプラン通り丸一日掛けるつもりなら、急坂は全部押し上げても大丈夫な計画だった。激坂が連続する厳しいコースだが、「上りは歩く」ことに徹して時間をかければ、初心者でも充分完走(完歩?)できる。ただし、急な下り坂もあるので、ブレーキ性能は万全で臨みたい。

161204_120420161204_120617最後の激坂も12:00過ぎには全員が登頂。これにてメインディッシュ終了。三国山頂に向かう道との分岐であるここが本日の最高標高地点で、標高はほぼ800m。

雨雲レーダーを確認すると、いよいよ雨雲が海を渡って和歌山県の有田や御坊に上陸しつつある。なんとか逃げ切るべく、下山を開始。

161204_125459急坂を下って鍋谷峠に到達し、国道480号線をさらに下っていく。山麓まで降りて、国道170号線バイパスに面した槙尾中学前のコンビニに12:45到着。先を急ぐが、ようやく人里に降りてここでひと息。

雨雲が近づいていることもあって、羽曳野在住のN岡さんとはここでお別れ。その他のメンバーは出発地の荒山公園へ急ぐ。

161204_132751本日最後の上り、府道61号線の南楽園峠(勝手に呼称)を越えればほぼ下り道。13:30前には、無事に荒山公園まで帰ってきた。

皆さん、お疲れ様~。少しのんびりしたいところだが、雨雲が近づく中、そうも言ってられない。手短なお別れだけで解散となった。

参加者には誠に申し訳ないことながら、主催者が雨男のせいか本来の実施日に開催できず、今回も雨雲に追われるイベントとなった。それでも、強力な晴れ男F永さんのお陰か、何とか雨が降リ出す前にスタート地点に戻ってくることができた。

急ぎ足でそれぞれの帰路に着くが、私は輪行組のN田さんとM輪さんをJR鳳駅までエスコートすることにした。晴れ男のF永さんは「(鳳駅に)一緒に行ったらマズいん違います? ボクと別れた途端に降り出したらどうします?」と冗談(本気?)を言っていたが、さっき見た雨雲レーダーでは雨はまだ府県境の和泉山脈を越えたところで、まだ1時間以上大丈夫だろう。

余韻に浸りつつも、急ぎ足で鳳駅向かって2人を先導。すると間もなく後ろから「あっ、降って来た!」と声が掛かった。「そういう冗談はイイって」と返したが、私の顔にもポツリと雨粒・・・。

「えっ? えぇっ~!?」

仕込んだかのような展開だが、ホントにF永さんと別れた途端に雨がポツポツ降ってきた(^_^;)。いくら私が強力な雨男とは言え、ありえないタイミングだ。雨雲レーダーで確認すると、南ばかり気にしているうちに、西から小さな雨雲が急襲してきた。

後ろからは「自分たちは何とでもなるから、いいぞ。お前は帰れ」と声が掛かるが、遠くから参加してくれた友人たちを見捨てていくのは申し訳ない。何とか駅までは案内しようと思ったが、さらに後ろから「(雨男が)離れてくれた方が、オレたちのためにもなるし・・・」と声が掛かった(笑)。

161204_134708そんなこともあって、13:47に駅まで一本道というところまで案内してお別れした。遠来のお客に愛想のないことだが、後は家路を急ぐ。

161204_14214913:53に何とか本降りになる前に帰宅できた。小さな雨雲のジャブだと思っていたが、雨雲は西方の大きな雲と繋がって近辺を覆い、一気にすき間がなくなった。迷ったが、雨宿りをしなくて正解だった。

今回は参加者がスムーズな運営に協力してくれたお陰で、何とかずぶ濡れにならずにイベントを終えることができた。晴れ間のあるうちに、ある程度の景観を拝むことができたことも幸いだった。とは言え、2週続けて雨に悩まされる展開はヤキモキさせられた。これが雨男の定めなのかもしれないが、何とももどかしい。

私が強力だとは言っても、晴れ男(晴れ女)が同行すると効力は停止する傾向がある。やはり、イベントにはF永さんが必須だと認識させられた。来年の串柿ツーリングや、それ以外のイベントにもご同行いただきたいものだ。

念のため言っておくが、串柿のあるポイントでちょうどパンクしたことや、F永さんと別れた途端に雨が降り出したことは決して仕込んだわけではない。パンクはともかく、雨を仕込めるなら、もはや神だ(^_^;)。

 

■コースマップ

 

■本日の走行記録(自転車)

CyclemeterGPSの記録
 スタート: 2016/12/04 6:45:18
 自転車完了: 2016/12/04 13:53:45
 バイクタイム: 3:46:16
 停止時間: 3:21:43
 距離: 77.79 km
 平均スピード: 時速 20.63 km/h
 登り: 1182 m
 カロリー: 2786 kcal
 平均心拍数: 136 bpm
 最大心拍数: 186 bpm
 平均ペダルペース:  57 rpm
 最高ペダルペース: 123 rpm
 今月の走行距離:  142 km
 今年の走行距離: 8216 km
 先月の走行距離:  546 km
 昨年の走行距離: 7310 km

 

■本日のアルバム


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これまでのコメント

  1. […] H本さんと話し込み、軽く昼食を取ったりで3時間以上長居して、帰路についた。同じ経路で戻るのもツマらないので、2016年晩秋の串柿ライドで通った間道を思い出して上ってみた。とんでもない急傾斜の細道だが、COZの軽い車重に軽いギア比ならさほど苦労なくクリア。 […]

  2. […] 集落内には串柿を吊るす棚があちこちに設けられている。今月末ごろからこれらの棚に串柿が吊るされ、集落中がオレンジ色に染まる。晩秋を実感する絶景を紹介したくて毎年「串柿ツーリング」を主催していたが、ここ数年は仕事の都合や悪天候などでなかなか良い時期に開催できず、仲間内でこじんまりと行うのが精一杯。昨年は骨折跡のチタンボルト除去手術で、未開催に終わった。今年こそベストの時期に開催したいが、やはり仕事がらみで11月前半の開催は難しそう。11月中盤に実施できればと思っている。 […]

  3. […] と言って、12月に入ると串柿の出荷が始まり、見栄えがしなくなるのは昨年も体験した。そんな訳で、参加者を募集して開催することはできなかったが、チャンスがあれば一人でも見に […]

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