2011台北自転車事情

【mixi日記 及び 旧ブログ から転載したものです】

 東日本の震災と福島原発の問題で日本中が騒然となっているところではあるが、西日本の一市民が直接の支援に当たれるわけでもない。個人的に日本赤十字の募金にわずかばかりの協力はしたが、後はできるだけ平常通り仕事や余暇といった経済活動を行うことこそが復興の手助けになると思っている。

 そんな個人的な思いが影響したわけでもないが、今年も仕事で台北國際自転車展(以下、台北ショー)に行って来た。

 台北に行って驚いたのは、台湾の人たちが日本の震災と原発問題に非常に高い関心を持っていること。もちろん、隣国ということもあるだろうが、仕事との関係に関わらず、会う人会う人が日本人というだけでお見舞いの言葉をかけてくれる。日本に帰国してからも、台湾のチャリティー番組で義援金21億円が集められたとの報道があり、台湾の人たちの優しさに心が暖まる思いだった。

 また、台湾に限らず各国から援助の手が差し伸べられていることが報道されている。自分自身がスマトラ島地震などの海外の大災害発生時に大したことはしていないことを思うと、全く恥ずかしい。

 台北ショーの話題に戻ると、今年は日本の震災の影響もあって海外からの来場者がやや少ないように見受けられた。一方、震災直後にも関わらず、日本人業者は意外なほど多く、底堅い自転車人気を感じさせた。

 台北中心部を見る限り、明らかに昨年より走っているスポーツ自転車が少ない。たまに見かけても本格的なロードバイクか低価格MTBで、ピスト系の街乗り自転車がほぼ絶滅状態だ。どうやら、台湾でのサイクルスポーツは、少なくともファッショントレンドとしてのブームが終息し、落ち込んでいるようだ。

 とは言え、台湾はスポーツ自転車関連の生産拠点として引き続き世界一の地位を占めている。また、ショー会場に入る前に自転車店を数店回った際の印象では、本格的なスポーツ用途としてロードバイクが定着しつつあるようだ。日本のMTBブームのように、一時的な落ち込みで終わりその後は成長軌道に乗ることを期待したい。

 ショー会場でもロード系車種が最も多く、シングルスピードのピスト系車種はかなり減っている。一方で、ランドナーやスポルティーフに類される懐古調車種は増えている。スチール製フレーム、メッキや革の多用といったスタイルはピスト同様だが、よりリラックスして長距離乗ることができるツーリング車種に主流が移りつつあるようだ。

 MTBや一定割合を占めるが、大きく増えも減りもしていないようだ。一昨年辺りから増えた電動自転車は、やや減ったようだ。エコロジーブームという追い風はあっても、国による法制度の違いもあるので簡単に広まらないのだろう。

 カンチブレーキやラージフランジハブ、革サドル、革バッグ、トゥクリップ、トゥストラップ、5ピンクランクといったパーツが続々復活しているのは昨年から引き続いた流れだが、そろそろ爛熟気味。品質の低い、形だけの模倣品も増えている。当然のことながら重量や性能は、最新仕様の自転車が一番なのだ。わざわざ復古調の自転車を作るのであれば、そこには「希少」「高品質」「本物志向」といった性能以外の要素を含めなければ、単に安っぽい低コスト車になりさがってしまうのではないだろうか? 

 細かく解説していくとキリがないので、この辺で。具体的に目についた商品は、下記の画像等を参照下さい。

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