台湾自転車事情2009その1

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【mixi日記 及び 旧ブログ から転載したものです】

 3月17日から20日まで、台北國際自行車展(Taipei International Cycle Show、以下台北ショー)が台北の世貿中心南港展覧館で開催されました。

 昨年と比較すると、日本人らしき来訪者の数はさほど変化を感じませんが、景気低迷の影響か、欧米からの来訪者がかなり減っているように感じられました。時間帯によっては人影がまばらで寂しい場所もあり、例年と明らかに様子が違いました。ショーガイドによる出展者数は762(前年比+1)、ブース数は2888(前年比+44コマ)と微増でしたが、出展数が1社増えただけというのは、主催者が必死で帳尻あわせをして、何とか前年より増やしたという感があります。おそらくは出展費用のディスカウントなど、優遇処置でなんとか前年までの出展者を引き止めたのでしょう。

 しかしながら、直前になって出展を断念した(倒産した?)業者があったようで、ガイドの出展者名がマジックで塗りつぶしてある箇所がひとつありました。つまり、実態としては昨年と同数の出展者だったようです。確かにブース面積を増やしている有力業者もあるのですが、昨年よりブース面積を減らしたり、複数業者がブースを共有しているケースも多く見られました。

 来場者数の増減を見る限りでは、ヨーロッパとアメリカの自転車業界は、景気低迷の影響をかなり受けているようです。また、日本を含む東アジアは比較的堅調ながらも、欧米からの波及を恐れ、先行きに不安を抱えているといった印象でした。

 元々は完全なビジネスショー、それもほとんど海外のバイヤー向けのショーだった台北ショーですが、近年は一般ユーザーらしき姿もよく見かけます。今年は最終日の20日が一般公開日となっており、200台湾元(約600円)を支払えば誰でも入場できました。(台湾では)平日でしたが、多くの一般入場者が来場しており、台湾のバイクスポーツの普及にが年々進んでいることが伺えました。もっとも、20日以外の日も、どこかで招待券を手に入れた一般人らしき来場者が多数、会場を闊歩していました。入場者数を稼ぐために、主催者が招待券をばらまいたのかもしれません。

 一般ユーザー向けのイベントなども年々充実されており、試乗コーナーは、行列ができる盛況。BMXデモンストレーションコーナーでも人だかりができていました(トリックのレベルが低く、失敗が多いのはご愛敬)。一般ユーザーの来場を増やすことについては、台湾国内の販売や自転車文化の向上に役立つという表面的な理由ももちろんですが、全入場者数の底上げが可能で、ショーの盛況ぶりを演出できるという側面が大きいと思われます。

 もちろん、ユーザー対応に追われて落ち着いて商談ができなくなるという弊害もあります。輸出メインの出展者からは不満の声も聞こえてきましたし、一般公開日である最終日にはすでに撤収を終えた空のブースも散見されました(今日はビジネスにならないと判断したのでしょう)。

 出展物の傾向について簡単に述べますと、一番印象的だったのはピストバイクとその派生車種が昨年にも増して非常に多く目についたことです。もちろん、ロードバイクやMTBの数には及びませんが、スポーツバイクの完成車メーカーやフレームメーカーには、必ずと言っていいほどピストバイクがラインナップされていました。それもほとんどは懐古調のスチール製フレームで、実用性より装飾性を重んじた仕様は、明らかに街中でファッション的に使用するためのものです。

 日本のピストバイクブームも意外と(?)息長く続いていますが、台北ショーでの展示数は日本向けだけのものとはとても考えられず、世界的にピストバイクの売上げが大きく上昇していることが伺えます。これからもブームが長期的に拡大していくのかどうか疑問もありますが、少なくとも現時点では非常に大きなうねりとなっていることが伺えます。

 また、ピストバイクを原型として、フラットハンドル化やマッドガードを装着するなどしたシングルスピードバイクも目につきました。ロードバイクやツーリング用の懐古調フレームも多く見られ、ピストバイクを核としてファッション性の高いスチールフレームが復権していました。懐古調バイクにマッチする皮サドル、グリップ、バッグなどの革製品や、スチール(やアルミ)製トゥクリップ、本皮製トゥストラップ、ノーマルステムなどの展示も増えていました。

 次に、BMXの展示数も、増えているように感じられました。台北ショーでは、一時期ほとんど絶滅状態だったBMXですが、ピストほどの勢いでないとしても回復傾向のようです。

 あとは例年と傾向はさほど変わらず、ロードバイクの展示数はMTBを上回る比率を占め、小径車やクロスバイクも相変わらず人気といったところでした。

 各々の車種の利便性を高めるパーツ、アクセサリーは年々新商品が表れていますが、今年は「○○付き××」「△機能をひとつに」といった合体商品が多く見られました。各社とも、厳しい経済状況の中で、新しいコンセプトの商品をお金をかけて開発することは負担が大きいので、実績のある機能を組み合わせるという方法で何とか商品化を行っているのかもしれません。ただし、安易な方法で開発した商品は、やはりインパクトに欠けます。

 話題になっていた商品の例としては、wellgoのクイックリリースペダルが創新産品コンテストに入賞し、着脱の容易さとコンパクトなことをアピールして人だかりができていました。しかし、実はライバルメーカーのVPもよく似たコンセプトの商品を展示していましたが、気づく人も少なかったようです。性能的にも遜色はないと思うのですが、入賞の有無、展示方法の違いが注目度の差になっていたようです。

 また、多くのメーカーがカラーチェーンを展示しており、ピストバイク用を中心にカラーチェーンへの注目が高まっているようです。各国の国旗柄のチェーンを展示しているメーカーもありました。チタン製や、防錆加工といったチェーンも各所でアピールされていました。

 ちなみに、今回は同時期に台北國際體育用品展(以下TaiSPO)が、世界貿易中心(南港展覧館でない本館)で開催されていました。同時開催によって、海外バイヤーの渡航負担を減らし、双方の来場者増を狙ったようです。ひとつのパスでどちらにも入場でき、会場間をつなぐ無料シャトルバスが運行されるなど、一体開催の利便性を図っていました。

 海外バイヤーには受付時にランチクーポンが配られましたが、ランチ会場はTaiSPOの開かれている世界貿易中心(本館)で、来場者の多い台北ショーから人を誘導しようという意向が伺えました。

 ただ、実際に両会場に足を運んだ来場者は少数だったようで、会場間シャトルバスはガラガラ、ほぼ完全にビジネスショーのTaiSPO会場は台北ショーと比較して、はるかに閑散とした会場風景でした。また、同時開催ですので、例年両方に出展していた業者も、どちらかにしか出展せず、全体の出展者数が伸び悩んだのでは、との想像もできます。自転車関連の業者は当然のごとく台北ショーにのみ出展したので、TaiSPOには自転車に関する展示は非常に少ないものでした。

その2」に続く

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